菖蒲ご膳のご紹介
地域おこしのために始めた山菜料理
1990年代、佐賀市富士町には32地区の集落がありました。
富士町の人々は、各地区の強みを活かし協力し合うことで多くのイベント等を開催し、町づくりを行っていました。
そのような取組がある中、私たち菖蒲地区には、協力したい気持ちはあるものの、イベントに貢献できるような特産品や取組みがないことが現実でした。
富士町を盛り上げたく話あいを始めたところ「何かをしたい!」という菖蒲の人たちの声が湧きたちました。
これをきっかけに挑戦が始まりましたが、そうそう簡単に活性化できる「モノ」は見い出せず苦悩の日々は続きました。
話し合いの結果、最後に残ったのは、菖蒲という地名、見渡す限りの草っ原でした…
しかし、菖蒲の人々は、飽きらめることはなく、発想を転換し「原っぱ」を「自然の恵」に、「何の変哲もない家庭の味」を「食文化」として、山菜を使った地域おこしが始まりました。
手探りでの地域おこし
1995年に、菖蒲地区の女性を中心とした有志が集い、弊社の前身となる「山野草摘み草料理愛好会(任意団体)」が発足しました。
始めは、菖蒲の公民館で住民や山菜を愛してくれる仲間とともに、「山の恵み」を楽む地域活動から始めたのです。
沢山の不安はありました。
・草木の料理が受け入れられるのか?
・料理の知識や技術もないのに提供していいのか?
・利益がない中で菖蒲の人々の賛同が得られるのか?
でも答えは諦めず続けることで、帰ってきたように感じます。
冬に山菜が少ない時は、保存した乾物や冬でも収穫できる山菜に気づき。
福岡市を中心とした都市部の方からは、「懐かしいく素朴さが良い、故郷を思い出す」との声を頂き、菖蒲の先達から教わった料理は「滋味でありながらも、心身に優しく、懐かしい味」。「人々に誇れる食文化」であることを活動を通じてご教示頂きました。
菖蒲の人々の中には、「草の料理を出して何になるのか?」「休みの日にボランティアで、せっかくの休みが…」との声もいただきましたが、お客様の反応に気付かされるように、協力者が集って行きました。
このように弊社は、沢山のお客様や菖蒲の皆さまから育てていただけたことで、知識や技術、価値を見出していくことができました。
2009年4月28日
食事処「森の香 菖蒲ご膳」オープン
お客様・各行政様・関連起業様・有識者の皆様・地区住民の皆様など、多くの皆さまのご協力のおかげで、念願の山菜料理レストランを開店できるはこびとなり、名称を「森の香・菖蒲ご膳」に改め現在に至ります。